『2022年の運用による資産減少額は10兆円超』～2022年12月資金流出入状況から～

2022年12月の投資信託の概況が投資信託協会から発表されました。
公募株式投信（ＥＴＦ除く）の設定額から解約額と償還額を差し引いた資金増減額は、1兆1,518億円増となりました。

1兆円超の資金流入を上回る運用資産減

2022年12月の設定額は2兆4,512億円、解約額は1兆2,911億円、償還額は83億円で1兆1,518億円の資金流入となりました。

資金流入額が1兆円の大台に乗ったのは、2021年12月以来です。

25か月連続での資金流入ですが、運用による資産減が資金流入額を大幅に上回る4兆0,909億円となったことから、純資産総額は3兆0,714億円減少し、83兆5,835億円となりました。

年間の運用による資産減少額はリーマンショック時に次ぐ水準

2022年の年間での運用による資産減少額は,10兆3,865億円とリーマンショックがあった2008年の23兆1,732億円に次ぐ減少額です。

2008年の資金流入額は2兆0,032億円と、前年の14兆3,346億円から大幅に減少しましが、2022年の資金流入額は、8兆3,010億円で、前年の9兆1,628億円からの減少額は限定的でした。

2008年の運用による資産減少額は前年末の純資産総額の38.8％に相当するのに対し、2022年の運用による資産減少額は前年末の純資産総額の11.9％相当であり、投資行動が冷え込む水準ではなかったようです。

また、近年は資産形成を目的とした積立投資による信金流入の割合が増加していることも、資金流入額の落ち込みが少ない要因に挙げることができるでしょう。

2008年末　純資産総額上位10ファンド

2022年末　純資産総額上位10ファンド

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