バイオテクノロジー:生命を守る次世代技術に脚光
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注目テーマ:ヘルスケア
バイオテクノロジーは、次世代技術と銘打たれる分野の中でも人間の生命を守るという観点からマーケットの関心は高く、株式投資の理想である「夢を買う」相場に発展しやすい。例えば画期的な新薬が開発されれば、何十万、何百万人の人を救うことが可能となり、それは開発した企業にとっては爆発的な収益成長の糧ともなる。
再生医療や遺伝子治療で新展開
バイオテクノロジーをつかさどるテーマとして注目されるのは、まず再生医療分野。とりわけ京都大学教授の山中伸弥氏のノーベル生理学・医学賞受賞で沸いたiPS細胞が挙げられる。iPS細胞とは人間の皮膚などの体細胞に、複数の因子を導入して培養する人工の多能性幹細胞であり、さまざまな組織や臓器の細胞に分化する能力と無限的な増殖能力を有する細胞に変化させるというものだ。現在、京都大学でパーキンソン病の移植例があるほか血小板減少でも移植の計画があり、大阪大学では角膜損傷や虚血性心疾患、慶応大学で拡張型心筋症や脊髄損傷などで移植もしくは申請に向けた動きがある。
このほか再生医療ではiPS細胞以外にも、細胞を培養して医薬品として活用する細胞医薬品などに対する注目度も高い。こうした状況下、経済産業省では再生医療に関連する市場規模について 2012 年の 2400 億円から 30 年には5兆 2000 億円と 20 倍以上に拡大するとの試算を示している。
一方、バイオテクノロジーが投資テーマとして存在感を高めた背景には、再生医療のほかに遺伝子治療という分野にスポットライトが当たったことも挙げられる。がん免疫療法の一角として着目されているCAR-T療法や、腫瘍溶解ウイルスなどは遺伝治療におけるエース格だ。既存のがん免疫療法と腫瘍溶解ウイルスとの併用療法などにも積極的な開発が進められており、今後に大きな期待が寄せられている。
配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
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みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
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