長期投資のすすめ21~全世界株における日本とアメリカ~

前回は全世界株の中身をご紹介しました。投信を通じて購入できる全世界株の中身は、半分以上が米国であり、全世界株と先進国株の値動きが近いです。全世界株と同様に先進国株の中身も調べてみましょう。今回も多くの投信がベンチマークにしているMSCIを参考にします。
(出所:MSCI)
MSCIワールドという指数になり、多くが米国で占められていることが分かります。あまり細かい値動きは長期投資の観点で気にしてもしょうがないのですが、全世界・先進国・米国のGDPと、全世界株・先進国株の推移を確認しましょう。折れ線グラフが株価で面グラフがGDPです。GDPの2021年以降は予測になります。
(出所:リフィニティブ)
折れ線グラフの灰色が全世界でオレンジが先進国になります。構成比率が似ているので、株価指数も同じような動きになります。前回は全世界の中で中国のGDPが大きく伸びていることを紹介しましたが、全世界株の組み入れ比率は前回紹介の4.93%です。国としてどれだけ経済成長を続けていても株式を購入できなければ資産形成の観点では意味がありません。市場へのアクセス難易度等、様々な点が考慮され、指数ベンダは比率を決定しています。灰色の全世界とオレンジの先進国を比較するとGDPに差がついていることが分かります。この差の多くを占めるが中国です。
低成長なのに株価が上昇
米国(青:GDP・S&P500)・中国(赤:GDPのみ)・日本(緑:GDP・TOPIX)を比較してみましょう。こちらもGDPの2021年以降は予測になります。
(出所:リフィニティブ)
中国のGDPが急速に伸び、日本を大きく引き離しています。米国に迫る勢いです。株式市場は成長と共に推移している点がここからも分かると思います。また、中国の株式市場は少し複雑なので株価推移は次回に説明します。もう一つ注目して頂きたい点があります。それは2010年代半ばからの日本株です。
(出所:リフィニティブ)
GDPがそこまで成長していませんが、2010年代半ばから株式指数だけが上昇を続けています。もちろん上昇しているということは、誰かが株を買っているのです。
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配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
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みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
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