『純資産総額 過去最高を更新』～2021年1月の資金流出入状況から～

2021年1月の投資信託の概況が投資信託協会から発表されました。
公募株式投信（ＥＴＦ除く）の設定額から解約額と償還額を差し引いた資金増減額は、5,413億円増となりました。

純資産総額は過去最高を更新

設定額は、2兆5,638億円と2020年12月よりは減少したものの高水準を維持しました。

資金流入額は、解約額、償還額ともに前月より減少しこともあり、2020年12月比1,460億円増の5,413億円となりました。

月間の資金流入額5,000億円台は、2018年10月以来の高水準です。

資金流入額に運用資産増価額を加え、分配額を差し引いた純資産増減額は、1兆3,067億円となり、純資産総額は、71兆6,606億円と過去最高を更新しました。

2020年12月末に70兆3,539億円と、2015年5月末の70兆1,300億円以来、5年半ぶりに70兆円の大台に乗せとなり、2021年1月も資金流入に運用益が加わり、純資産総額は過去最高を更新しています。

2015年5月当時と2021年1月末の純資産総額上位10ファンドが下の一覧表です。

2015年5月末　純資産総額　上位10ファンド

2021年1月末　純資産総額　上位10ファンド

約5年半の間に、純資産総額上位ファンドの顔ぶれは大きく変わりました。

2015年5月末と2021年1月末の両方ランクインしたのは、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド（毎月分配型）」のみです。（2015年5月末　5位、2021年1月末　2位）

投資対象では、国際不動産投信が4ファンドから1ファンドに減少する一方で、グローバル株式型が、2ファンドから6ファンドに増加しています。

グローバル株式型6ファンドのうち、上記の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド（毎月分配型）」を除く、5ファンドは、設定から5年未満の比較的、新しいファンドとなっています。

債券を主要投資対象とするファンドは、2021年1月末では姿を消してしまいました。

世界的な金利低下により、期待リターンが低下していることが、要因であると考えられますが、資産運用において債券は需要な投資対象の一つです。

長期的にインカムを積み上げていくことは、効果的な投資スタンスといえます。

現在の金利水準を考えると、高いインカムを得るためには、相応のリスクテイクが必要となります。

高水準のインカムを積み上げていく運用の実現には、投資対象や運用手法等により、どのリスクを取ってどのリスクは取らないかを明確にしているファンドを選ぶことがポイントになるでしょう。

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