『年間では、23年ぶりの資金流出』　~12月の資金流出入状況から~

2019年12月の投資信託の概況が投資信託協会から発表されました。
 

12月は「ひふみワールド+」や「ティー・ロー・プライス米国成長株ファンド（アメリカン・ロイヤルロード」などの新規設定があり、設定総額は、11月より大幅に増加しました。

しかしながら解約額も高水準となり、公募株式投信（ＥＴＦ除く）の設定額から解約額と償還額を差し引いた資金増減額は、1,417億円減となりました。

資金流出は、10月から3ヵ月連続、2019年年間でも、4,976億円の資金流出です。

年間の資金流出は、1997年以来、23年ぶりのこととなります。

年間ベースでは、1998年から22年間、資金流入が続いていました。

2018年は、銀行等で投信の販売が始まり、証券会社中心であった投信の販売窓口が一気に広がった年です。

その後、ＩＴバブルとその崩壊、リーマンショック等があったものの、年間ベースでみると資金流出には至りませんでしたが、2019年は、投信の銀行窓販開始以降、初めて年間で資金が流出した年となりました。

資金流出の主な要因は、年後半の利益確定の動きが活発化したことによるものと推測されます。

利益確定の解約を先行させた人は、投信への投資を辞めてしまうのではなく、投資環境の変化を待って、購入のタイミングを計っているのではないでしょうか。

また、確定拠出年金やつみたてＮＩＳＡを利用して、長期投資を前提に、定期的に購入する人は、確実に増加していると思われ、2020年は、再度、資金流入に転じる可能性が高いといえそうです。

【2019年　年間資金流入額　10位ファンド】

【2019年　年間資金流出額　上位10ファンド】

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