みんかぶプレミアム会員なら
広告非表示で利用できます

※サイトからのお知らせは除きます

広告非表示の他にも、みんかぶプレミアム会員だけのお得なサービスが盛りだくさん!

みんかぶプレミアムとは
すでに会員の方はログイン
×
広告を非表示にする

長期投資のすすめ26~中国人民元と香港の為替制度~

コラム
配信元: ミンカブ・ジ・インフォノイド
投稿:2021/10/20 09:00
長期投資のすすめ26~中国人民元と香港の為替制度~

前回までに中国の経済と株式市場の仕組みについて紹介しました。今回は中国株投資にも影響を与える為替について、歴史的な経緯から調べてみましょう。まずは本土である人民元(対ドル)と長期金利の推移です。

(出所:リフィニティブ)

2005年までは横ばいになっています。これは現在の日本が採用している通貨制度(変動相場制)には見られない特徴です。大きな分類として固定相場制・管理変動相場制・変動相場制があります。

固定相場制とはそもそも自国通貨が存在しないため米ドルやユーロを導入するケースや、通貨供給量の上限同等分を外貨準備として保有するケースがあります。これは自国通貨の信任がない場合などに米ドル等の信用を担保に通貨管理を行う場合に採用されます。

香港の事例を確認しましょう。

(出所:リフィニティブ)


長期金利は低下していますが米ドルに固定されている香港ドルは横ばいです。先ほどの固定相場制の中でもカレンシー・ボードと呼ばれる形態になります。極端な通貨変動が起きなければインフレ対策などでメリットはあるのですが、日本と異なり自由度が無く過去に通貨危機に直面した東アジア諸国や、インフレ抑制を目指したアルゼンチンでは維持に失敗しています。この通貨政策はどのように運営されているのでしょうか。

 

香港通貨制度(カレンシー・ボード制)

通貨を管理する当局として香港金融管理局がありますが、日本銀行やアメリカFRBの様な金融政策を行う機能は持っていません。以前に取り上げた金融緩和などを行うことができず、通貨供給量を増やすには、外貨準備を積み上げる必要があります。

この制度の特徴を表すと、「固定先通貨(米国)に金融政策を任せる」と言えるでしょう。自由度は少ない代わりに通貨が乱高下することを防げます。通貨発行量に対して外貨準備と自国資産を保有する場合、自国資産はすぐ米ドルに交換することはできません。もし通貨危機が発生した場合は米ドルが手元になく固定レートを守れない可能性があります。しかし、カレンシー・ボード制の香港は通貨に対する保有資産が全て外貨準備(米ドル)になり、直近では通貨発行量(マネタリーベース)の2倍近い外貨準備があります。

 (出所:リフィニティブ)

仮に為替レートを大きく変動させようと売りを仕掛けると、供給量の少ない香港ドルの金利が上昇することで世界からお金が流入する可能性が高い上に、そもそもこの外貨準備を超える香港ドルを売るのは現実的ではありません。

中国株投資の観点に戻ると、香港ドルに対して本土の人民元はある程度の変動があることが分かりました。他の新興国とも比べてみましょう。

 (出所:リフィニティブ)

主要新興国の各国で、それぞれ通貨の変動パターンが異なる事がわかります。もし中国(上海A株)だけに投資をしていると変動が大きい株価に加えて為替変動リスクも負うことになります。やはり複数国に分散するメリットがここでも分かります。

 

【関連記事】

長期投資のすすめ25~中国株式市場の価格変動と分散投資~

長期投資のすすめ24~下落局面の中国株、金融相場と業績相場~

長期投資のすすめ23~新興国と中国株式市場~

長期投資のすすめ22~日本の大株主~

長期投資のすすめ21~全世界株における日本とアメリカ~

長期投資のすすめ20~全世界株(MSCI ACWI)~

長期投資のすすめ19~世界の配当利回り~

長期投資のすすめ18~世界の成長と長期投資~

長期投資のすすめ17~株式の配当~

長期投資のすすめ16~株式投資ってなんだろう?~

長期投資のすすめ15~銀行と証券会社の役割~

長期投資のすすめ14~コツコツ投資のポイント~

長期投資のすすめ13~長期投資とリスク~

長期投資のすすめ12~為替ヘッジに必要なコスト~

長期投資のすすめ11~為替リスクを抑える方法~

長期投資のすすめ10~新興国投資の大きなリスク「為替」との付き合い方~

長期投資のすすめ9~新興国へお金を貸す際の注意点~

長期投資のすすめ8~新興国へお金をかす前に~

長期投資のすすめ7~債券ってなんだろう?~

長期投資のすすめ6~お金を「海外先進国」に貸す~

長期投資のすすめ5~お金を世界に「貸す」投資~

長期投資のすすめ4~お金を国に「貸す」投資~

長期投資のすすめ3~お金を会社に「貸す」投資~

長期投資のすすめ2~時間を味方につける~

長期投資のすすめ1~何のために投資をするのか~

 

 

配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド

このコラムの著者

みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)

資産運用のトレンド情報や、初心者が楽しく学べるお金の基本コラムなど、資産形成をするすべての人に向けた記事を提供します。

新着記事

広告を非表示にする
広告を非表示にする
広告を非表示にする

最近見た銘柄

投資信託
株式
閲覧履歴はありません
まずはファンドを検索してみましょう

あなたの目的にあった

銘柄を探してみませんか?

みんかぶでは、様々な銘柄の中から、

あなたの目的にあった銘柄を探すことができます

条件に合ったおすすめ銘柄を探す

投資信託ランキング

4月の投資信託おすすめ銘柄5選

広告を非表示にする

人気記事ランキング

関連サイト

【ご注意】『みんかぶ』における「買い」「売り」の情報はあくまでも投稿者の個人的見解によるものであり、情報の真偽、株式の評価に関する正確性・信頼性等については一切保証されておりません。 また、東京証券取引所、名古屋証券取引所、China Investment Information Services、NASDAQ OMX、CME Group Inc.、大阪取引所、堂島取引所、S&P Global、S&P Dow Jones In dices、Hang Seng Indexes、bitFlyer、NTTデータエービック、ICE Data Services、JPX総研等から情報の提供を受けています。日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。『みんかぶ』に掲載されている情 報は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的とするものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。これらの情報には将来的な業績や出来事に関する予想が含まれているこ とがありますが、それらの記述はあくまで予想であり、その内容の正確性、信頼性等を保証するものではありません。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、投稿者及び情報提 供者は一切の責任を負いません。投資に関するすべての決定は、利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。個別の投稿が金融商品取引法等に違反しているとご判断される場合には「 証券取引等監視委員会への情報提供」から、 同委員会へ情報の提供を行ってください。また、『みんかぶ』において公開されている情報につきましては、営業に利用することはもちろん、第三者へ提供する目的で情報を転用、複製、販売、加工、再利用及び再配信することを固く禁じます。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.
ページ TOPへ