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みんかぶプレミアムとは前回も経済成長に合わせ、分散を前提にした積立投資をコツコツと長期間続ける方法を紹介しました。全世界株に連動する投資信託を定時定額で積み立てる結論で毎回終わる本連載ですが、他の方法も知りたい方のために、今回は景気循環を見定める方法についても確認していきます。
企業の発行する株式や債券、ソブリン(国や国際機関などが発行する債券)はそれぞれ景気の波に影響を受け、金利等の動きから、相場がどの局面にあるかを想定することができます。この流れは決まったものではなく、あくまで過去の経験則によるイメージです。右上の業績相場では実体経済が回復し、利益が伸びていくことで株価が上昇します。債券は長期国債の利回りが上昇(国債が弱含み価格下落と金利上昇)します。アメリカの金利が上がるということは、米ドルが上昇し、日本からみるとドル円の上昇につながります。まさに2021年10月現在はこの局面です。右下の逆金融相場は、前回紹介した中央銀行の緩和終了と金融引き締めにより、期待値が下がることで株価下落局面の入り口となります。債券は、長期金利に対して短期金利が上昇し、その差が小さくなっていきます。
左下は逆業績相場で、企業業績と経済状況が悪くなり、利益の減少により株価が下落していきます。左上は、これらの状況から脱却するために金融緩和が行われ、株価は次第に上昇局面へと移行していきます。
さて、先進国株と新興国株は上記の景気サイクルの中でどこにいるのでしょうか?株価(12ヵ月リターン)を赤の折れ線グラフで、青を金融相場、オレンジを業績相場として図式化しました。
先進国株式(MSCIワールド)の12ヵ月リターン要因分析
新興国株式(MSCIエマージング)の12ヵ月リターン要因分析
(出所:リフィニティブ)
現在は青からオレンジに移行する局面ということが分かると思います。青の金融相場は予想PER成長率で、オレンジの業績相場は予想EPS成長率です。大きな下落があると、その直後には青の金融相場に入ることが分かります。これは、実体経済に対して、期待先行で株価が回復していることを意味します。その後、少しずつ利益成長による業績相場に移行していきます。
2021年10月現在は、金融相場から業績相場に移行している最中です。これらのことから、今後の投資対象の値動きを推測することも可能です。あくまで過去の経験則による推測になりますので、注意しながら相場と付き合う必要があります。経済や金融が好きな人であればこれらの相場を読むこともありますが、やはり何も考えず機械的に全世界株をコツコツと積み立てることが多くの人にとってはストレスが少なく資産形成を実現する方法かと思います。
❏長期投資のすすめ27~先進国と新興国の経済成長とパフォーマンス~
❏長期投資のすすめ24~下落局面の中国株、金融相場と業績相場~
❏長期投資のすすめ10~新興国投資の大きなリスク「為替」との付き合い方~
配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
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