長期投資のすすめ36~債券相場との付き合い方~

前回までに債券投資の種類と、現時点では投資対象として非常に難しい時期に来ている点をご紹介しました。では過去はどうだったのでしょうか?
超長期で世界株式と世界国債をトータルリターンで確認すると、両方とも上昇しています。
(出所:リフィニティブ)
企業が生み出す利益は広く見ると国、そして世界の成長と結び付いています。数十年単位で見るとオレンジのGDPに沿って上昇しているのです。
このチャートですが、それぞれの値動きを観察すると上下の幅が大きく違うことが分かります。この幅の管理がリスクのコントロールそのものです。投資では分散が推奨されますが、30年超の債券上昇相場が終わり、これから金利が上昇する局面で債券投資とはどのように向き合えばよいのでしょうか?
債券は何に使えるの?
ここ30年で世界の債券相場に何が起こったのかを確認しましょう。先ほどと同じく世界国債指数を例に取ります。白がトータルリターン、赤が金利です。
(出所:リフィニティブ)
金利が異様に下がっており、直近で少し上昇しています。金利が上がるということは債券価格が下がることです。いまから買いに行くのは勇気がいりますね。では、なぜこのような異様な長期低金利が続いているのでしょうか。復習になりますが、それは中央銀行の債券購入が理由です。
(出所:リフィニティブ)
日米欧の中央銀行による金融緩和の中で国債を中心に債券が大きく買い越されました。これによって金利はどんどん下がり一部ではマイナスに突入、価格は歴史上最高値まで上昇することになったのです。
では、その債券の使い道が唯一あるとすればショック吸収のための調整弁です。ある程度機動的に資産の入れ替えをする前提で、戦争や地震など株式市場へのショックによる資産の増減幅が増えることへの備えとして考えることができると思われます。
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配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
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