長期投資のすすめ37~相場を読む難しさ~

どの業種を買えば儲かったのか?
この記事を書いている2022年3月に世界で起きている出来事は、年初に想像もしていなかったことばかりです。
もし過去に戻れるとして「これから新種のウイルスが世界中に広まって世界経済が大打撃を受ける」、「戦争が起きてロシアルーブルが急落する」と伝えてもにわかには信じられないと思います。
まずは日本株で業種別の年初来パフォーマンスを確認しましょう。
(出所:リフィニティブ)
海運業が年初来で大幅上昇しているようですが、長期のパフォーマンスを調べてみましょう。TOPIXと比べると振れ幅であるリスクが大きなセクターだということが分かります。
(出所:リフィニティブ)
この2度の大幅上昇には様々な要因があるのですが、それを調べて上昇前に仕込むのは非常に難しいです。約20年の間にたった2回しかチャンスがないということが大きなポイントになります。多くの人には、これを当てるために勉強する時間はないはずです。
果たして日本株は買えるのか?
次に日本の企業収益を確認しましょう。売上高が伸びておりコロナショック後からの回復を確認することができます。しかし、前年比の成長率はわずかです。
(出所:リフィニティブ)
もっと分かりやすく考えるために日米GDPと主要株価(S&P500とTOPIX)で比較してみましょう。日本とアメリカがどちらか、ここまでの連載を読んでいる人はピンとくるのではないでしょうか。
(出所:リフィニティブ)
国力の差がそのまま株価に反映されています。数%の毎年の差が何十年も積み重なって取り返しのつかない状態になっているのが日本株です。
また成長率以外にも問題があります。
(出所:リフィニティブ)
日本は中央銀行が「信用緩和」の名目で株価を買い支える非常に珍しい国です。これがいつか売却されることになると、需給面ではどうなってしまうのでしょうか。
株価は利益X期待値に分解されます。成長が鈍化して利益が伸びにくくなる上に将来の売り材料もある中で考えると日本だけに資産を置くことは非常に難しく、相場を読める人以外にはおすすめできない投資先と筆者は考えています。
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配信元:ミンカブ・ジ・インフォノイド
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みんかぶ編集室 (ミンカブヘンシュウシツ)
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